昔購入してしばらく使ってなかったベルトを処分していたのですが、革の知識が多少ついてきた今見ると、樹脂感が非常に強いことに気が付きました。
ガラスレザー
これはガラスレザーと呼ばれる、表面に樹脂などを塗って仕上げた革なのだと思われます。 ガラスレザーといっても毛穴風の凹凸の加工がされているのもあったり、高級靴に使われるものもありピンキリなので、これのようにツルツルなのはかなり極端なケースだと思いますが。
実際、傷がついた部分は樹脂の層が剥げて下地が見えてしまっています。樹脂の層のひび割れかたを見るに、樹脂も劣化してそうな感じですね。
ガラスレザーのことを知らなかった昔はこの革が非常に綺麗に見えたのですが、今思うとかなりツルツルで光沢が強く、まるでビニールが貼られているようで、違和感があります…。人の認知って面白いですね。
Genuine Leather
ちなみにこれは裏面にGENUINE LEATHERと書かれていました。
「本革の中でもクオリティーの一番低いレベルの革」などと言われたりするGenuine Leatherですが、その評判の理由はこういうことですね。
ガラスレザーは生産上のメリット(傷のある革も使えて歩留まりが良い)があり安価になる一方で、合皮と同様に樹脂の劣化の問題があり比較的短命なので、物を長く使い続けたい人にとっては相性が悪そうです。
KENFORDについて
なお、刻印にもあるように、これはKENFORDのベルトです。 KENFORDはREGALの廉価版的なブランドで、ガラスレザーを使ったセメンテッド製法の靴を販売されています。
私は昔はKENFORDの靴を愛用していました。かなり安価(1.5万円程度)ですし、ガラスレザーなので雨でも平気で頑丈ですし、靴の内側にクッションがあるためにフィッティングの難しさもない履きやすい靴でした。
ただ、ベルトと同様に長く使うものではないので、「いいものを長く使う」を目指す私のスタイルとは合いませんでした…。 例えば「就職活動の1~2年だけ履く」とかであればめちゃくちゃいいと思いますけどね。
比較用に銀付き革のベルト
比較用に別のベルトの画像も貼ってみます。
こちらはBerwickのベルトで、革はデュプイ社のボックスカーフらしいです。 (Berwick1707 | ベルト 3.5cm | CI160535BCBK – バーウィック オンラインストア)
細かな凹凸がありますし、光沢感も異なりますね。
ベルトの穴付近もガラスレザーのベルトにあったような傷の付き方はしていません(ブラウンの方、コバの黒い塗装が落ちちゃってるのが残念ですが)。
2年ほど使っていますが、まだまだ革は使えそうですね。 KENFORDのベルトのほうは1~2年で買い替えていたので、寿命の差を感じます。
ちなみにKENFORDの靴を履いてた頃は靴も1~2年で買い替えていました。 多少安いといっても頻繁に買い替えるなら結局損してたなぁと反省。
参考文献
ガラスレザーや銀付き革(Full-Grain Leather)などの話は山陽さんのページがわかりやすかったです